女子やり投げで、次々と歴史の扉をこじ開けている北口榛花選手!
その圧倒的なパワーの裏で「あの北口選手、実は筋トレしないらしい…」なんて、にわかには信じがたい噂があるのをご存知ですか?
トップアスリートの常識をくつがえすその言葉の裏には、過去のちょっぴり苦い経験から生まれた、驚くほど合理的で専門的なトレーニング哲学が隠されていたんです。
この記事では、北口榛花選手が「筋トレをしない」と言われる本当の理由から、彼女のパワーの源泉「熊並み」とまで言われる広背筋の秘密まで、根掘り葉掘り解説しちゃいます!
【結論】北口榛花が「筋トレしない」の驚くべき真相
女子やり投げで向かうところ敵なしの北口榛花選手。
その強さの秘密を探ると、どうしても「筋トレをしない」という不思議なキーワードにぶつかります。
「え、トップアスリートなのに!?」って思いますよね?
ご安心ください。この記事を読み終わる頃には、そのナゾがすべて解けて「なるほど!」と膝を打つこと間違いなしです。
まず、いきなり結論からいっちゃいましょう。
彼女は、トレーニングをしていないのではなく、私たちが想像する『筋トレ』の概念を遥かに超えた、超・合理的で専門的なトレーニングを行っているのです。
それは、ジムで歯を食いしばって「重いものを持ち上げて筋肉をデカくする!」という考え方とは、全く別の惑星の話。
彼女のトレーニングの目的は、たった一つ。
「やり投げのパフォーマンスを最大化させること」
そのために、必要のない筋肉はつけず、一つ一つの動きが「どう投げに繋がるか」を徹底的に考え抜いているんですね。
では、なぜ彼女は一般的な筋トレと距離を置くようになったのでしょうか?
その裏には、一度記録が低迷した、過去のちょっぴり苦い経験がありました。
次の章では、彼女がハマってしまった「ウエイトトレーニングの罠」と、そこから華麗に脱出したお話を見ていきましょう。
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過去の失敗が教えた「ウエイトトレーニングの罠」
今でこそ独自のトレーニング哲学を確立している北口選手ですが、最初からそうだったわけではありません。
かつては他の多くのアスリートと同じように、「記録を伸ばすなら、やっぱりパワーでしょ!」とウエイトトレーニングに力を入れていた時期がありました。
しかし、良かれと思って取り組んだトレーニングが、逆に彼女を出口のないスランプの森へと迷い込ませてしまったのです。
その苦しい経験こそが、今の彼女のスタイルを形作る、大きなターニングポイントになったんですね。
記録が低迷…筋肉をつけすぎて失った「しなやかさ」
「もっとパワーを!」とウエイトトレーニングに励み、筋肉量を増やした北口選手。
普通に考えたら、記録はグングン伸びそうですよね?ところがどっこい、結果は真逆。
記録は伸び悩み、どうすればいいか分からない暗いトンネルに入ってしまったのです。
その原因は、大きくなりすぎた筋肉によって、彼女の最大の武器であった身体の「しなやかさ」が失われてしまったことでした。
やり投げは、助走からフィニッシュまで、全身をしなやかな一本のムチのように使ってパワーを生み出す競技。
でも、ガチガチに硬くなった筋肉は、そのスムーズな力の伝達を邪魔する“お邪魔虫”になってしまったんですね。
やり投げは、単なる腕力コンテストじゃなく、全身を使った「連動性」が命のアートなんです。
この手痛い失敗から、北口選手は「ただ筋肉をつければ良いってもんじゃないのね…」という、大切な教訓を得ました。
セケラックコーチとの出会いで変わった「トレーニングの目的」
スランプの森で迷っていた彼女の前に現れた救世主、それがチェコ人のダヴィド・セケラックコーチでした。
コーチの指導は、彼女のトレーニングに対する考え方を、まさにコペルニクス的転回!180度変えさせました。
例えば、スクワット一つとっても、その目的意識が全く違います。
目的の変化 | 具体的な考え方 |
---|---|
Before | とにかく重い重量を挙げて、脚の筋肉をマッチョにする! |
After | 地面を踏んだ力を、やりを投げる指先まで伝える“技術”を磨くため。 |
コーチは、一つ一つのトレーニングが「やり投げのどの動きに繋がるのか」を、まるで科学の先生のように、論理的に説明してくれたのです。
この運命的な出会いによって、北口選手はトレーニングの「目的」を常に意識するようになり、すべてを「投げる」という一点に集約させていきました。
この経験が、常識にとらわれない、今の「北口メソッド」の頑丈な土台になっていったんですね。
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常識を覆す「北口メソッド」の正体
さて、過去の失敗と最高のコーチとの出会いを経て、北口選手は自分だけのトレーニング哲学、通称「北口メソッド」を確立していきます。
それは、多くのアスリートが当たり前だと思っていることとは、ちょっと違うユニークなもの。
「力をゴリゴリ入れる」ことよりも、「力をスムーズに伝える」ことを何よりも重視するのが、このメソッドの心臓部です。
その根っこには、ちょっとビックリするようなアドバイスと、ある専門的な身体の理論がありました。
「腹筋運動はNG」衝撃のアドバイスの真意とは?
「腹筋を鍛える」と聞けば、多くの人が床に寝て上体を起こす運動をイメージしますよね。
しかし、北口選手は日本のトレーナーチームから、「その腹筋運動、やらなくていいです」という、耳を疑うようなアドバイスを受けました。
「え、なんで!?」と思いますよね。理由はちゃんとあります。
あの背中を丸める腹筋運動は、やり投げ選手が命よりも大事にしている「胸を張って背中が反った美しい姿勢」を崩してしまうからです。
やり投げは、弓のように身体をしならせてパワーを解き放つ競技。
背中を丸める動きは、その理想のフォームとは真逆の動きになってしまうんですね。
もちろん、彼女が体幹の筋肉をサボっているわけではありません。ただ、その鍛え方が私たちの想像の斜め上をいっている、というワケです。
すべての基本となる『解剖学的立位肢位』という考え方
では、「北口メソッド」のど真ん中には、どんな考え方があるのでしょうか。
それが『解剖学的立位肢位(かいぼうがくてきりついしい)』という、ちょっと舌を噛みそうな名前の身体理論です。
ご安心ください、難しくありません。簡単に言えば「人間が、骨格的に最も効率よく力を発揮できる“正しい立ち方”」のことです。
日常生活から意識する「骨格模型」のような正しい姿勢
北口選手が目指しているのは、まるで理科室にいる骨格模型くんのように、全身の骨が本来あるべきポジションに、スポッと気持ちよく収まっている状態。
それは私たちが普段「気をつけ!」と呼ぶ、胸を無理に張った姿勢とは少し違います。
余計な力みが一切なくリラックスしているのに、いつでも俊敏に動き出せる。そんな理想の姿勢を、彼女は競技中だけでなく、普段の生活から常に意識しているんです。
練習で使う「傾斜のついた椅子」の秘密
その意識の高さは、練習で使う“商売道具”にも表れています。
北口選手は、座ってトレーニングをする時、お尻の後ろ側が少し高くなるように「傾斜のついた椅子」をわざわざ特注して使っているんです。
なぜなら、そうすることで身体の土台である骨盤が自然と正しい位置に保たれ、『解剖学的立位肢位』をキープしやすくなるから。
一見、地味〜に見えるこういう積み重ねこそが、彼女の爆発的なパフォーマンスを静かに支えているんですね。
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パワーの源泉!「熊並み」と称される広背筋の作り方
北口選手のトレーニング哲学が「動き」をめちゃくちゃ大事にしていることは、もうお分かりいただけたかと思います。
では、その結果として作られた彼女の肉体、特にあの異次元の飛距離を生み出すロケットエンジンは、どこに搭載されているのでしょうか?
その答えは、彼女の広い、広い「背中」にあります。
メディアで「熊並み」とも形容される、圧倒的に発達した広背筋(こうはいきん)こそが、彼女のパワーの源泉なのです。
なぜ胸の筋肉じゃなくて背中の筋肉なのか?そして、そのスペシャルな筋肉はどうやって作られるのか?その秘密のレシピをのぞいてみましょう。
やり投げのエンジンは胸筋より「広背筋」である理由
「パワー!」と聞くと、分厚い胸板、つまり大胸筋をイメージする人が多いかもしれません。
しかし、やり投げの世界では、主役は背中側にいる広背筋です。
というのも、やり投げは決して腕の力だけで投げているわけじゃないから。
助走で生み出したスピードと、地面を蹴りつける下半身の力を、しなやかな体幹を通して腕、そして指先の「やり」へと伝えていく壮大なリレー競技なんです。
この「力の通り道」のど真ん中に陣取り、エンジンのような役割を果たしているのが、何を隠そう広背筋なのです。
広背筋が強ければ強いほど、下半身で生まれた巨大なエネルギーを無駄なく腕に伝えることができる。まさに縁の下の力持ち!
北口選手のあの広い背中は、世界レベルのパワーを生み出すためにたどり着いた、機能美の結晶と言えるでしょう。
「投げる」に繋がる専門的トレーニング
では、彼女のスーパーな広背筋は、ジムでひたすら背中のマシンをガッチャンガッチャン引いて作られたのでしょうか?
もうお分かりですね。答えは「NO」です。
ここでも、彼女のトレーニングは全て「投げる」というゴールに繋がっています。例えば、代表的なトレーニングを比較してみると、その目的の違いは一目瞭然です。
トレーニング | 一般的な目的 | 北口選手の目的 |
---|---|---|
ベンチプレス | 大胸筋を大きくし、押す力を強くする | 肩甲骨の可動域を広げ、背中を上手く使えるようにする |
スクワット | 脚の筋肉を大きくし、重い重量を挙げる | 地面を踏む力を腕までスムーズに伝える技術を養う |
彼女は、筋肉を一つ一つ単独で大きくすることには、あまり興味がありません。
それよりも、メディシンボール(重いボール)を思いっきり投げるトレーニングのように、全身の筋肉をオーケストラのように連携させ、爆発的な力を生み出す練習を大切にしています。
彼女のトレーニングは、筋肉を鍛えるのではなく、筋肉同士の“コミュニケーション能力”を磨き、「投げる」という一つの芸術的な動きにまで高める作業なのです。
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【まとめ】北口榛花の強さは「探求心」と「合理性」の賜物
いやはや、奥が深い北口選手の世界、いかがでしたか?
「筋トレしない」という言葉の裏には、私たちの想像を遥かに超える、緻密で合理的な世界が広がっていましたね。
最後に、この記事のポイントをギュッと凝縮してまとめてみましょう。
- 失敗からの華麗な学び
過去に筋肉をつけすぎて記録が低迷した経験から、ただ筋肉を大きくするのではなく、「動きの質」を最優先に考えるスタイルへ。 - 超・合理的なトレーニング理論
「腹筋運動はしない」など常識にとらわれず、骨格レベルで最も効率的に動ける姿勢『解剖学的立位肢位』を追求。 - パワーの源泉は背中にあり!
驚異的なパワーは胸ではなく「熊並み」と称される広背筋から生まれており、全てのトレーニングが「投げる」動きに直結している。
彼女の本当の強さの源泉は、その才能や練習量だけではありません。
過去の失敗から目をそらさずに学び、常に「なぜ?」と問い続け、自分だけの正解を探し求める「探求心」。
そして、世間の常識に流されず、自分にとって本当に必要なものだけを見極めて実行する「合理的な思考」。
この二つこそが、彼女を世界のトップへと導いた最大の武器と言えるでしょう。
次に彼女の投てきを見る時は、ぜひその力強く、そしてしなやかな「背中」に注目してみてください。そこには、彼女が積み重ねてきた試行錯誤のすべてが詰まっているはずですから!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。