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「目を離した一瞬のすきに、10ヶ月の赤ちゃんがハチミツを舐めてしまった…!

今、この記事を読んでいるあなたは、きっと心臓が縮むような思いで、とても焦っていることでしょう。

「少量だけど大丈夫?」
「すぐに病院に行くべき?」
「どんな症状が出るの?」

次から次へと不安が押し寄せてきますよね。

でも、大丈夫。まずは深呼吸してください。

この記事では、赤ちゃんがハチミツを食べてしまった時に、あなたがやるべきことを、順番に分かりやすくお伝えします。

正しい知識が、あなたと赤ちゃんを守る一番の力になります。

 



症状がなくても、すぐに小児科へ電話してください

10ヶ月の赤ちゃんがハチミツを食べてしまった場合、一番大切なことは、自己判断で様子を見ないことです。

たとえ赤ちゃんが舐めたのがほんの少量で、元気にケロッとしていたとしても、まずはかかりつけの小児科に電話で相談してください。

夜間や休日でかかりつけ医が閉まっている場合は、お住まいの地域の小児救急電話相談(#8000)に電話しましょう。

なぜなら、ハチミツに含まれることがある「ボツリヌス菌」の症状は、すぐに出るとは限らないからです。

専門家である医師に状況を伝え、指示を仰ぐことが、何よりも確実で安全な第一歩ですよ。

 

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電話の前に確認!落ち着いてやるべき3つのステップ

赤ちゃんがハチミツを食べてしまっても焦らないでください!

病院に電話をする前に、少しだけ状況を整理しておくと、医師にスムーズに情報を伝えられます。

パニックにならず、以下の3つのステップを確認してみてください。

Step1:いつ、どれくらい食べたかを把握する

「さっき、パンに塗ってあったハチミツを指でひと舐めした」など、大まかで構いません。

食べた(と思われる)時間と量を、医師に伝えられるようにしておきましょう。

Step2:口や手についたハチミツを拭き取る

赤ちゃんの口の中や周り、手にハチミツが残っていたら、濡らした清潔なガーゼなどで優しく拭き取ってあげてください。

注意点として、慌てて吐かせようとするのは絶対にやめてください。

喉に詰まらせる危険があります。

Step3:赤ちゃんの様子を観察する

顔色、機嫌、おっぱいやミルクの飲みっぷりなど、普段と変わりがないかを確認しましょう。

この3点を整理したら、すぐに電話をかけてくださいね。

 

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なぜ危険?10ヶ月の赤ちゃんでも「乳児ボツリヌス症」のリスクがある理由

「もう10ヶ月で1歳も近いのに、それでも危ないの?」と疑問に思うかもしれませんね。

はい。1歳のお誕生日を迎えるまでは、残念ながら安全とは言えません。

危険な理由は、ハチミツに含まれていることがある「ボツリヌス菌」です。

この菌は「芽胞(がほう)」という硬い殻に守られており、大人の腸では問題なく処理できます。

しかし、10ヶ月の赤ちゃんの腸内は、まだ細菌と戦う守備隊(腸内細菌)が十分に育っていません。

そのため、腸の中でボツリヌス菌が増殖し、筋肉を麻痺させる毒素を出してしまう「乳児ボツリヌス症」を引き起こす可能性があるのです。

だからこそ、「1歳未満」というルールがとても大切になります。

ハチミツを食べたときの注意すべき症状は?いつまで様子を見ればいい?

医師に相談した後も、しばらくは赤ちゃんの様子を注意深く見守る必要があります。

ボツリヌス菌の潜伏期間、つまり食べてから症状が出るまでの期間は3日~30日と非常に長いです。

最低でも1ヶ月間は、以下のような変化がないか気をつけてあげてください。

  • 便秘が続く: これが最も多い初期症状です。3日以上うんちが出ない時は要注意。
  • 元気・活気がなくなる: ミルクを飲む力が弱くなったり、あまり遊ばなくなったりします。
  • 泣き声が弱々しくなる: かすれたような、力のない泣き声になります。
  • 表情が乏しくなる: あやすと笑っていたのに、あまり表情が変わらなくなります。
  • 体の力が抜けた感じがする: 首のすわりが悪くなったり、手足がだらんとしたりします。

もし、これらのサインに気づいたら、すぐに再度医療機関に連絡してください。

 

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「加熱したパンは?」「黒糖は?」ハチミツに関するQ&A

ハチミツに関して、お母さんたちからよく寄せられる質問にお答えします。

Q1. ハチミツ入りのパンを焼いて食べさせたけど、それもダメ?

A. はい、家庭での加熱では安全になりません。

ボツリヌス菌の芽胞は非常に熱に強く、パンを焼く程度の温度では死滅しません。

ハチミツを使った手作りのお菓子や料理も、1歳になるまでは避けてください。

Q2. 黒糖やコーンシロップなら大丈夫ですか?

A. ハチミツに比べリスクは格段に低いですが、あえて使う必要はありません。

国内の乳児ボツリヌス症の原因は、ほとんどがハチミツです。

過度に心配はいりませんが、離乳期の甘み付けには、より安全なオリゴ糖などを使うのがおすすめです。

では、ハチミツはいつからOK?

心配な期間はいつまで続くのか、気になりますよね。

ハチミツ解禁の目安は、「満1歳のお誕生日」です。

1歳を迎えれば、腸内の環境が整い、ボツリヌス菌が入ってきても、その増殖を抑えられるようになります。

1歳になったら、栄養豊富なハチミツを安心して食べさせてあげてくださいね。

 

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まとめ:焦らず、迷わず、まず相談。それが赤ちゃんを守る最善の策です

10ヶ月の赤ちゃんがハチミツを食べてしまった時、親御さんがパニックになるのは当然のことです。

でも、そんな時こそ、この記事のポイントを思い出してください。

  • 何よりも先に、かかりつけの小児科か救急相談窓口(#8000)に電話する。
  • 自己判断で「少量だから」「元気だから」と様子見はしない。
  • 最低1ヶ月は、便秘などの初期症状に注意して見守る。

あなたの迅速で冷静な対応が、赤ちゃんを危険から守ります。

一人で抱え込まず、専門家の力を借りてくださいね。



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